設備設計一級建築士 過去問

【令和3年度 設備設計一級建築士 過去問】輸送設備

問16 非常用エレベーター仕様

図や表の中で不適切な箇所を指示する問題は、数値すべてを1つ1つチェックしていく

設置台数

高さ31mを超える部分の床面積で最大の階の床面積1500㎡以下の場合

高さ31mを超える部分の床面積で最大の階の床面積

  • 0~1500㎡以下 1台以上
  • 1500~4500㎡以下 2台以上
  • 4500~7500㎡以下 3台以上
  • 7500~10,500以下 4台以上

※3台以上からは、3000㎡以内を増すごとに1台ずつ追加

設問の図で、床面積2000㎡部分の非常用エレベーターの台数は1台

1500~4500㎡なので、2台以上必要

床面積4000㎡のフロアは2台あるので適切

非常用エレベーターの仕様

非常用エレベーターの追加確認項目を順次チェックしていく

積載量と最大定員

1,150kg以上、17人以上なので、適切

籠の寸法

間口1.8m以上、奥行1.5m以上、天井高さ2.3m以上 →OK

定格速度

60m/min以上 →OK

問17 機械室なし乗用エレベーター構造

機械室レスエレベーターの追加確認項目を確認していく

地震感知器は昇降路内の最下階の床面から昇降路の底部の床面までの部分に固定する必要があるが
図中では最下階の床面より上部にあるため不適切

かん
かん

この設問のように、図があるだけで数値の記載がない問題は間違い箇所を探しにくいですが、
感震器の設置位置の誤りは頻出問題なので、まずチェックするのがよいです

問18 ロープ式乗用エレベーターの昇降路断面

図の中で不適切な箇所を指示する問題は、数値すべてを1つ1つチェックしていく

昇降路 各階出入口床先と籠床先との水平距離

図より、3cm≦4cm

籠床先と昇降路壁との水平距離

図より、12cm≦12.5cm

籠の定格速度ごとに定められた数値

ピット深さは定格速度ごとに決められた数値以上か

定格速度は120m/min→2.1m以上≦2.1m

機械天井室高さ→定格速度に応じた高さか

定格速度は120m/min→天井高さは2.2m以上必要≦2.4m

頂部隙間(トップクリアランス TC)

定格速度ごとに決められた数値以上、又は告示の算式で求めた値以上か

籠の定格速度は120m/min→1.8m以上
これは満たしていないので告示算式で確認

緩衝器は油入緩衝器なので H=S+R+V^2/1,068+C

ストロークは平12建告1423で規定された計算値 S=定格速度^2/534で求めた値以上
S=定格速度^2/534=26.97

設問にてストロークの数値に明記がないため、最低条件の26.97≒27cmで頂部隙間の計算をしてみる

H=S+R+V^2/1,068+C
H=27+50+(120)^2/1,068+2.5(頂部安全距離確保スイッチ付)=92.98

頂部隙間は設問の図より900mmであり、必要な寸法である約93cmに対して不足している

かん
かん

実際のストロークがもっと長かったとしても、必要な頂部隙間が長くなるので、不適切であることには変わりありません。

図にストロークの記載がないので難易度の高い設問です。

問19 設備関連規定 不適切箇所の指示

C:エスカレーターのかがり代

非固定部分のかがり代を確認

一端固定構造のためΣr・H-Cを求める

設計用層間変形角は、令第82条の2の規定によって算出した層間変形角の5倍(最低1/100)なので
1/200×5 = 1/40 となる

Σr・H-C=1/40・4000-50=50

20>Σr・H-Cの場合
B≧2Σr・H-C = 2×1/40×4000-50 = 150mm

設問では140mmなので、不適切

問20 設備関連規定 不適切箇所の指示

A:エレベーターの昇降路

保守点検のための開口部は、かぎを用いなければ昇降路外から開くことのできない施錠装置を設けなければならないので、不適切

かん
かん

このような安全面で不適切そうな選択肢は真っ先に疑い、さっと確認だけしてほかの問題に時間を充てましょう。

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かん

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