建設業の残業規制について現状を解説
建設業における残業規制は、本当に給料減少につながるのでしょうか?
「残業規制で収入が減ってしまい、家計が苦しくなったらどうしよう…」と不安を抱える方も多いのではないでしょうか。
残業規制とは、働く人の健康を守るために法律で定められた仕組みであり、2024年4月から建設業界にも適用されています。この規制により、1カ月の残業時間は45時間、年間では360時間が原則となりました。
参考URL
建設業|建設業・ドライバー・医師の時間外労働の上限規制 特設サイト はたらきかたススメ|厚生労働省
一方で、建設業界では残業代が収入の大部分を占めることが多いため、「残業が減ると収入も減るのでは?」という不安を感じる人が多いのも事実です。
ですが、規制が入る背景には、長時間労働が原因で発生する健康被害を減らし、働き方を見直すという目的があります。具体的には以下のような点がポイントです。
- 労働時間を適正化し、働く人の負担を減らす
- 生産性の向上を目指す
- 長時間労働に頼らない働き方の定着
この規制を機会に、自分の働き方、働く環境を見直してみてはいかがでしょうか。
給料は減る?維持できる?
給料が減るパターン
日給月給制の現場作業員や職人
実作業時間に基づいて給与が支払われている場合、残業時間が減ると収入が減少する可能性があります。
時間効率が悪い働き方に依存している場合
今は能力関係なく時間に対して支払われていた残業代も、規制開始後は残業できる時間が減るため、その分そのまま給料が減ってしまいます。
給料を維持、増やせるパターン
時間効率よく働けている場合
残業規制の枠内で成果を上げられる人は、基本給やインセンティブが増える可能性があります。
これまで以上に時間効率というのが社内での評価軸として重要視されるため、それが給料に反映される可能性は十分あるでしょう。
管理職
管理職は残業代がつかないことが多い(労働基準法で義務付けられていない)ので、残業の減少がそのまま給料減にはつながらないでしょう。
減った残業代を役職手当にまわす会社であれば、昇給の可能性もあります。
一方、管理職は残業規制がない分、仕事が増える可能性もあります。給料がそのままである場合は、仕事が増えたのに給料が変わらず、実質時間単価が減ってしまうというリスクもあります。社会人として、会社がどのように対応するかを確認し、身の振り方を考えましょう。
参考URL
000847860.pdf
建設業の残業規制で給料を守る3つの方法
残業規制が始まっても、給料を保つ方法について考えてみます。
1.社内で評価され、昇給する
社内で評価されるための手段として、下記を意識しましょう。
- 生産性を高める
- 評価されるためのコツを心得る
- 難易度の高い資格を取得する
社内での評価は心象も大事な時があるので、このような本を参考にするのもよいでしょう。
2.高収入の会社に転職する
環境を変えるというのも一つの手です。残業規制が始まり、人手が欲しい企業が多い今がチャンスとも考えられます。
- まずは自分の市場価値を知る
- 難易度の高い資格を取得して市場価値を高める
建設業の残業規制時代に選ぶべき仕事環境
残業規制時代には、働きやすい職場環境を選ぶことが大事です。
- 労働時間が適正に管理されている企業
- スキルアップやキャリア支援が充実している企業
- 給与体系が明確である企業
自分の所属する会社がこの条件を満たしているか、見直してみる良い機会です。
残業規制で期待する効果
残業規制の導入に、建設業界全体に以下のような前向きな効果を期待しています。
- 若者が働きやすい環境の整備
建設業は若い世代に敬遠されがちですが、労働時間の適正化により、私生活と仕事のバランスを取りやすい職場が増えることが期待されます。 - 国の基幹産業の活性化
建設業は日本の基幹産業でありながら、深刻な人手不足に直面しています。残業規制を通じて働き方改革が進めば、業界の魅力が再認識されるでしょう。 - 建設業特有の達成感を共有
建設業には、他の業界では味わえない仕事の達成感があります。この魅力を発信しつつ、無理のない働き方を整備することで、人材の流入が期待されます。 - 発注者側の理解促進
工期の適正化や変更対応の縮小など、発注者側の協力も重要です。業界全体で取り組むことで、より健全な労働環境を作り出せます。 - 個人の成長を促進
長時間労働に頼らない働き方が求められる中、スキルアップや自己研鑽が重要になります。実力が正当に評価される仕組みが整えば、業界全体の質が向上するでしょう。
残業規制については賛否両論あると思いますが、個人的には上記内容から必要だと考えます。
この規則改正を通じて、働き方の改革と業界の持続可能性を高めていきましょう。
まとめ
建設業界における残業規制は、働く人々の健康を守るだけでなく、業界全体の働き方を見直す重要な契機となっています。
規制の影響で収入に不安を抱える方も多い一方で、効率的な働き方の導入やスキルアップを通じて、収入を維持または向上させる道も開けています。
主なポイントは以下の通りです:
- 残業規制の目的:健康被害の軽減と長時間労働の是正。
- 給料減少の懸念:残業代に頼る働き方の見直しが必要。
- 前向きな効果:
- 若者が働きやすい環境の整備。
- 業界全体の魅力向上と活性化。
- 発注者側との連携による工期適正化。
- 行動の重要性:スキルを磨き、自分に合った職場環境を選ぶ。
この規制は建設業界の働き方改革を推進する一歩です。変化を前向きに捉え、個人としてもスキルアップや効率的な働き方を取り入れることで、安定した収入と働きがいの両立を目指しましょう。
今が新しい働き方をスタートするチャンスです!